地元ライター記事

2024.03.11

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白山市白峰ご当地グルメ巡り|豪雪地帯が育んだ独自の食文化

日本屈指の豪雪地帯、白山市白峰。地元・石川県では「雪だるまの里」として親しまれています。そんな豪雪地帯ならではの郷土料理やご当地グルメは、ヘルシーで美味しくて心も体もあったまるメニューがいっぱい! 本記事では、堅豆腐や栃餅などのメジャーなものから、ランチにおすすめの新名物まで、白峰の「美味しい」を巡る旅の様子をお届けします。

白峰ってどんなところ?

白山市白峰が位置するのは石川県と福井県勝山市との県境。霊峰白山の登山口として知られ、日本屈指の豪雪地帯でもあります。
黄土色の大壁と、土蔵造りという独特な建築様式の民家が軒を連ねており、郷愁を誘うノスタルジックな雰囲気がとっても素敵! その貴重な町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

平成2年から毎年開催されている ”雪だるま祭り” は大人気イベント! 集落一帯に約2,000個の雪だるまや雪像が造られ、雪を楽しむ行事として定着しています。

豪雪地帯が育んだ独自の食文化

©白山市観光連盟

冬の間は雪に閉ざされ孤立を強いられていた、かつての白峰。そんな環境からか、他ではあまり見かけないちょっと珍しい料理が作られるようになりました。下記では、豪雪地帯ゆえに生まれた白峰独自の食文化をご紹介します♩

堅豆腐

縄で縛っても崩れないほど、ぎゅ~っと凝縮された堅豆腐。日持ちが良く、交通手段が限られた白峰の人々にとって、貴重なタンパク源として重宝されました。昔は各家庭でも豆腐作りをしていたんですって。

かっちり

小さなじゃがいもを砂糖と醤油だけでコトコト煮詰めた白峰の郷土料理。豪雪地帯ゆえ、身が大きく育たなかった小さなお芋も大事に食べらていた歴史があります。

栃餅

山の恵みである栃の実には、体に良い成分がたくさん。そして豪雪地帯ではお餅が冬の大切な主食です。長い冬を乗り切るため、栃の実をお餅に混ぜて食べる食文化が生まれ、今では白峰の名物になりました。

かまし粉

シコクビエを乾燥させて炒った粉のこと。雑穀の中でも栄養価が高いシコクビエは、栽培が難しいので今では「幻の雑穀」とも言わているのだとか。ちなみに鴨の足に似ているため白峰では「かまし」と呼ばれているのだそうです。

白峰ご当地グルメ巡り

さて、ここからは白峰の郷土料理やご当地グルメを楽しめるおすすめのお店を3つご紹介します!

白山とうふ工房 山下ミツ商店

明治に創業し130年余の歴史がある老舗のお豆腐屋さん。白峰に来たからには、こちらの堅豆腐を買わずして帰るのはもったいない! 思わず「うまい!」と声が出る?!美味しい豆腐の味を守っているのは、こだわりの材料と惜しまぬ手間暇です。

■生真面目な豆腐づくり

山下ミツ商店で作られるお豆腐は、豆腐に相応しい国産大豆を消泡剤を使用せず炊き、手間はかかっても、手作業で泡を取り除いています。それを天然にがりで固め、風味を守るため加熱殺菌をせず作られているのだそう。なるほど・・・ヘルシーかつ美味しいお豆腐になるのも頷けますね。

■常連さんに人気は大判あげ!

今回は常連さんにも人気の「大判あげ」、俗に云う「田舎揚げ」も購入。女将さんのおすすめ通り、焦げ目が付くまで軽く焼いてみました。

ご覧ください、フライパンからはみ出すほどの大きさ…! ちなみに焼く際に油はひかなくてもOKです◎ 身がふっくら、焦げ目がパリパリ香ばしくて、とっても美味しかったです。

■甘味・スイーツもおすすめ

店頭ではお豆腐や油揚げのほか、豆乳をつかったプリンや煎餅など、スイーツやお菓子も販売されていました。 オリジナルの豆乳ゼリーは、国産大豆の甘味と栄養たっぷり! デザートやおやつにもおすすめです。

白山とうふ工房 山下ミツ商店
住所石川県白山市白峰チ62-6
電話番号076-259-2024
営業時間10:00~18:00
定休日木曜日
駐車場あり
公式HPhttps://www.mitsu102.co.jp/

白峰特産品販売施設 菜さい

白峰温泉総湯の向かいにお店を構える「菜さい」では、白峰の特産品が並ぶお土産処と、白峰の山の幸などを楽しめるお食事処を併設しています。今回は、お土産処に立ち寄りました。そこでのおすすめ商品を紹介しますね!

■かっちり

「かちっ」と音がするほど食べ応えのある食感から、その名がついた「かっちり」。食べてみると、確かにしっかりとした歯応えと甘辛い味付けが印象的でした! 包装も真空パックになっていて日持ちもバッチリですね! ごまをたっぷり絡ませたアレンジ商品「ごまっちり」もおすすめです◎

■かまし饅頭

菜さいのイチオシは、この「かまし饅頭」! 白峰産のシコクビエ(かまし)を使用した、香ばしく懐かしい味わいのお饅頭です。先程ご紹介した「かまし粉」が、お饅頭の皮に練りこまれているのだとか。

そのまま食べても美味しいですが、蒸せばかましの独特の風味が、揚げれば香ばしい香りが口に広がります。9個入りなので、両方試して味変を楽しむのも面白そう!

白峰特産販売施設 菜さい
住所石川県白山市白峰ロ64-3
電話番号076-259-2588
営業時間《お土産処》10:00~17:00
《お食事処》11:00~16:30(ラストオーダー16:00)
定休日火・金曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場あり
公式HPhttp://www.shiramine-m.com/saisai/
お取り寄せhttps://item.rakuten.co.jp/hakusan-megumi/saisai03/

志んさ本舗

こちらのお店は栃の実を使ったお菓子が有名です。今回はなんと、栃餅が出来上がるまでの一部工程を特別に見学させていただきました!

こちらの写真はハンマーを使い、栃の皮をひとつひとつ手作業で剥いている様子です。慣れた手つきで次から次へとこなしていく姿がとても印象的で、初めての光景に見入ってしまいました! 職人技、カッコいいです!

こちらは、アク抜きの様子。皮を剥いて一週間さらし水に浸した実を木灰の灰汁汁と煮て二晩置きます。写真の容器は毛布などで何重にも包んで保温され、一晩以上経っているにも関わらずほんのり温かかったです!

こちらは餡を炊いているところ。中にお邪魔させていただいた時からすごくいい香りが漂っていたのですが…その正体はこの大きな釜で作られている餡子でした!

■貴方はどっち派?2種の栃餅

店頭には「外餡」と「内餡」、2種類の栃餅がありました! 店主さん曰く好みは人それぞれ、外餡派と内餡派に分かれるみたいです。それも地域差があるとかないとか・・・今回は食べ比べするため両方入ったものを購入しました!

食べてみると、確かに! 「外に餡子」か「中に餡子」かの違いで、それぞれ異なった美味しさがありました。包む順番以外は同じもののはずなのに、不思議な感覚です。 皆さんもぜひ食べ比べてみてください♩

■栃の実を使ったスイーツは他にも

そして実は、洋菓子もおすすめです!「ガトーマロニエ」は栃の実を使ったパウンドケーキ。栃の実の香りと食感がとても良く、ケーキと相性バッチリですごく美味しかったです!

©白山市観光連盟

そのほか栃の実を使ったシュークリーム「プティ・トチシュー」もおすすめです。(この日はまだ店頭に並んでなかったので次回リベンジ!)皆さんもぜひ足を運んでみてください!

志んさ本舗
住所石川県白山市白峰ロ166-3
電話番号076-259-2030
営業時間8:00~19:30
定休日火曜日
駐車場近くに無料駐車場(共用)あり
公式Facebookhttps://www.facebook.com/profile.php?id=100054304999130&ref=embed_page

新名物!ダムカレーとは?

今回の旅では白峰の新名物を求めて、ランチは人気の古民家カフェ「雪だるまカフェ」にお邪魔してきました。その新名物の名は ”手取川ダムカレー”。実を言うと、初めて聞いた時はどんな食べ物か全く想像ができませんでした。

雪だるまカフェは重要伝統的建造物群保存地区のメインストリート、つまり白峰観光の中心地にあります。ピンクの暖簾がとっても可愛い♩

中へお邪魔するとたくさんの手作りの雪だるまがずらり! 可愛い雪だるまに4歳娘は大興奮でした♩

今回はお目当ての「手取川ダムカレー」(1,500円) と、白峰の油揚げを使った「いなたまうどん」(850円) をいただきました!

手取川ダムカレーは2022年に誕生(竣工?)した白峰の新名物! 注文後にお店の方が手渡してくれた設計図を見ながら待ちます。

なるほどなるほど! 霊峰白山をイメージした堅豆腐や、桑島化石壁をイメージした厚切りベーコン、恐竜の足跡化石をイメージした堅豆腐おからハンバーグなど・・・この一皿に白峰の美味しい名産品で、手取川ダムの特徴や地域の歴史が再現されています。

ちなみに専用スプーンはスコップの形をしています! お茶目なおもてなしで食事の時間がより楽しいものになりますね。

このカレーの醍醐味は、なんといっても「放流」ならぬ「放ルー」! ライスで作られた堤防をスコップ型のスプーンで決壊させる瞬間は、思わず動画を撮りたくなっちゃいます。

ダム湖のグリーンもほうれん草のルーで表現されていて、とても美味しくいただけました。

そしてカレーを食べ終えると、お皿の底にはダムに沈んだ当時の桑島集落が出現! これも粋な演出ですね。ちなみにカレー皿の柄はランダムで、雪だるまや恐竜のデザインもあるのだとか。何が出るかは食べ終わってみてのお楽しみ♡

溢れんばかりの地元愛がとっても素敵な手取川ダムカレー。皆さんも立ち寄った際には是非お召し上がりください♩

そしてもう1品、白峰の油揚げを使用した「いなたまうどん」。こちらは暖かい出汁にふわふわ卵と稲荷がとても合い、優しい味わいに冷えた体もぽかぽかになりました。

お食事処は解放感たっぷりの畳の間。 縁側でもお食事が楽しめるようになっていて、冬場は雪景色を見ながらいただくこともできますよ!

雪だるまカフェ
住所石川県白山市白峰イ75
電話番号076-259-2071
営業時間10:00~16:00
定休日木曜日
駐車場あり
公式Instagramhttps://www.instagram.com/ykdrm_cafe/

おまけ

余談ですが、先程ご紹介した菜さい前にどーんと目を引く立派な建物。こちら絹肌の湯として有名な白峰温泉総湯! 今回はお着替えセットを持参していなかったため、、、近くの販売所で白峰温泉の入浴剤を購入しました。次回はお風呂の準備を持って、白峰を観光したいと思います♩

ちなみに今回ご紹介したお店は、火曜または木曜のお休みが多いです。総湯の定休日も火曜日なので、ご当地グルメと温泉を併せて楽しむなら、訪問日の曜日も要チェックです!

白峰温泉総湯
住所石川県白山市白峰ロ9
電話番号076-259-2839
営業時間平日12:00~21:00、土日祝10:00~21:00(受付最終20:30)
定休日火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金大人 670円、小学生 360円、幼児(3歳以上)260円
駐車場30台
公式HPhttp://www.shiramine-m.com/

まとめ

今回の白峰ご当地グルメ巡り、独自の食文化と白峰の方の想いに触れながらの旅となりました。思い返すと一つ一つに由来があり、それを感じながらいただくのは、すごくいい経験になりました!4歳の娘を連れての旅で、一緒に選んだ祖父母へのお土産もとっても喜んでくれて嬉しかったです!

老若男女を問わず美味しく食べられる白峰の「郷土の味」。皆さんも是非! 味わってみてみてください♩

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