地元ライター記事

2026.05.19

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白山登山おすすめルート|初心者から上級者まで難易度別に紹介

白山に初めて登る人の頭に浮かぶこと、それは「どれくらい大変なの?」ではないでしょうか。 私が初めて白山に登ったのは、登山を始めたばかりの頃。1泊2日の行程でしたが、やはり甘くなかった記憶があります。初心者や体力がない人にとって、白山はちょっぴり手強い山かもしれません。でも、しっかり準備をして、天気に恵まれれば、決して難攻不落の山ではないのです。

白山登山はきつい? まず知っておきたい全体像

まず、白山の概要について、軽くおさらいしておきましょう。

◆ 標高・山域

  • 標高2702m(御前峰)
  • 石川県と岐阜県、福井県、富山県にまたがる広大な山域を持つ。

◆ 特徴

  • 日本三霊山・日本百名山として知られている。
  • ハクサンコザクラをはじめ、「ハクサン」の名がつく植物は20を超えることから花の豊富な山としても有名で、花の百名山でもある。
  • 最高峰の御前峰周囲には翠ヶ池や紺屋ヶ池などの池が点在し、お池めぐりを楽しむこともできる。

◆ 登山適期

  • 7月上旬~10月上旬(白山室堂の営業は5月1日~10月15日迄、6月末迄は素泊まりのみ)。
  • 白山室堂周辺では7月中旬~8月上旬はお花が見頃、9月下旬~10月上旬は紅葉が見頃です。

「きつい」と言われる理由はどこにある?

立山のようにバスやロープウェイなどを利用して登ることができる山とは違い、白山は長い行程を自らの足で歩かなければ山頂に到達できません。また、斜度のある階段や標高差の大きい急傾斜の道もあるので、心拍数が上がる場面もあります。「きつい」と言われる所以は、その辺りにあるのではないでしょうか。

白山登山の難易度はどれくらい?

登山の難易度を数値で表す「コース定数」という指標があります。「歩行時間」「総距離」「累積標高差」から算出しますが、白山で最も初心者向けの砂防新道のコース定数は39。下記の目安から考えると1泊2日の行程が妥当になります。

10前後体力的にやさしく初心者向き
20前後一般的な登山者向き
30前後日帰り登山の場合、健脚者向き
40以上日帰りでは困難。1泊以上の計画が必要

仮に、石川県側からこのコースを1泊2日で登る場合を具体的に考えてみましょう。

【1泊2日 砂防新道往復コース】(標高差1442m)

1日目別当出合→室堂
歩行時間 約4時間
2日目室堂→御前峰→お池めぐり→室堂→別当出合
歩行時間 約5時間
※ 歩行時間は標準的な速度で、休憩は含まれません。
※ 別当出合⇔室堂 距離6.0km

1日目の朝7時に歩き出すとして、標準的な歩行時間で1時間程度休憩を取りながら歩けば、お昼過ぎには室堂に到着できる計算になります。これをもとに考えると、1.5倍ほどのゆっくりペースでも夕方までには何とか室堂に到着できそうですが、ならばスタートを1時間早くしよう、などの安全策を立てることもできます。白山に登る前に自分のペースがどれくらいなのか把握しておけば、白山登山はぐっと現実味を帯びて来ます。

初心者にもおすすめのポイント

白山の登山道の多くは整備が行き届いており、登山者もたくさんいます。特に、初心者向けの砂防新道コースは歩きやすく、水場やトイレもあるので、子供や高齢の方などの姿も珍しくありません。標高を上げて行くと、絶景ポイントやきれいな高山植物が現れ、それまでの疲れが一気に吹っ飛ぶ!なんてこともあります。

中級者・上級者が楽しめるポイント

白山はとにかく懐の深い大きな山です。王道のコース以外にも、何泊もしながら縦走する歴史あるロングコースや、幻の滝や秘密の花園を巡るコースなど様々なコースがあり、何度行っても飽きることはありません。数々の峰を巡るトレイルランニングにもおすすめです。

天気で難易度は変わる?

安全に登山できるかどうかは、天候に左右されると言っても過言ではありません。悪天候時の対処方法を想定しておくことも大切ですが、荒天の場合は潔く中止や撤退の判断を下すことも重要です。天気予報や登山アプリなどを活用し、事前に情報収集しておきましょう。

◆ 荒天時のリスク

  • 滑りやすくなり、転倒・滑落する(特に、石や木の根は滑りやすい)。
  • 視界が悪くなると、道迷いや遭難に繋がる。
  • 川が増水して渡れなくなったり、土砂崩れが起きる。
  • 落雷の可能性が高まる。
  • 衣服が濡れて低体温症になる。
  • 強風で低体温症になる(風速1m/s毎に体感温度が約1℃低下)。

難易度別|白山の主要登山ルートを比較

そんな白山を楽しむことのできる5つのコースを紹介します。初心者から上級・健脚者までの難易度別になっているので、自分の力量に合わせてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
※各コースの歩行時間・歩行距離・累積標高差は、登山アプリ『YamaReco』によるものです。

初心者向けルート① 【1泊2日】砂防新道往復・お池めぐりコース

歩行時間9時間35分・歩行距離13.5km・累積標高差約1500m

登山客が最も多く、トイレや水場、避難小屋などがあり、整備が行き届いたコースです。出発後、すぐに現れる長い吊橋にテンションアップ! そこからは標高差の大きい急傾斜の道もありますが、少しずつ標高が高くなると、黒ボコ岩や弥陀ヶ原の絶景が。ここまで来れば宿泊先の室堂までもう少し。翌朝は山頂の御前峰でご来光を拝み、お池めぐりをして、前日と同じコースで下山します(トイレや水場の状況は要事前確認)。

初心者向けルート② 【1泊2日】砂防新道・お池めぐり・エコーライン周回コース

※ 2026年は、エコーラインは通行止めです。

歩行時間9時間45分・歩行距離14.2km・累積標高差約1520m

エコーラインのチングルマの群生

登りは砂防新道、下りはお花がきれいなエコーラインに少し寄り道するコースです。室堂から五葉坂を下りきって左に曲がり、弥陀ヶ原に伸びる木道を歩いていくと、チングルマやニッコウキスゲ、クロユリなどなど、たくさんの高山植物が。7月中旬から8月上旬が見頃です。余裕があれば、南竜方面に立ち寄るのもGOOD!

中級者向けルート① 【日帰り】観光新道・お池めぐり・砂防新道周回コース

歩行時間9時間30分・歩行距離13.2km・累積標高差約1480m

観光新道のお花畑

お花を愛でながら観光新道を登り、砂防新道からサクッと下る、中級者向け日帰りコースです。観光新道の馬の背付近や室堂周辺のお花を楽しむことができ、白山のお花を1日で満喫できます。反対周りの周回でもいいのですが、最後に別当出合~別当坂分岐間の急坂を下ることになるので、脚力を最後まで温存しておく必要があります。

中級者向けルート② 【1泊2日】観光新道・お花松原・エコーライン周回コース

※ 2026年は、エコーラインは通行止めです。

歩行時間12時間・歩行距離17.5km・累積標高差約1890m

お花松原のハクサンコザクラの群生

登りは観光新道、翌日にお花松原まで足を延ばし、エコーラインを経由して下りて来る、1泊2日のお花大満喫コース。お花好きなら一度は訪れたいお花松原では、ハクサンコザクラやクロユリの大群生などが見られますが、室堂から往復約6kmの行程で、一旦下り、帰りは登り返すことになるので、体力や時間に余裕を持って行動しましょう。

上級者・健脚者向けルート① 【2泊3日】美濃禅定道縦走コース(石徹白→別山→御前峰→別当出合)

歩行時間16時間35分・歩行距離24.6km・累積標高差約4,950m

別山から望む御前峰

岐阜県の石徹白から三ノ峰、別山を経て御前峰に登頂後、別当出合に下山するロングコースです。白山信仰や古の人々のロマンを感じながら歩く、味わい深さがあります。途中、三ノ峰避難小屋や室堂などで2泊するのが妥当。スタート地点とゴール地点が異なる縦走になるので、車の回収など交通手段の工夫が必要です。水場も少ないので、水分を多めに準備しましょう。

実際に登ってみた|お花松原・北弥陀ヶ原(一泊二日)

今年の白山のお花は例年になくきれいだという噂を聞き、今回はお花好きのお姉さま方とともに、白山のお花をとことん味わう一泊二日の登山に出かけました。お花松原まで足を延ばす予定ですが、余力があればその先の北弥陀ヶ原まで行ってみよう!という、ちょっとチャレンジングなオプション付き。果たして、どこまで行けるでしょうか?

登山計画は下記の通りです。2日目の天候が思わしくないので、初日のうちに行けるところまで行くことにしました。オーバーワークにならぬよう、注意しながら歩かねば!

1日目別当出合→観光新道→室堂(昼食)→お花松原→北弥陀ヶ原→室堂(宿泊)
2日目室堂→翠ヶ池(ご来光・朝食)→室堂→展望歩道→南竜ヶ馬場(昼食)→砂防新道→別当出合

7月末の週末は夏山登山のピーク。交通規制も行われるので、自家用車は市ノ瀬までしか入れず、その先の別当出合登山口まではバスの乗車が必須です。込み合うことも予想されたので朝4時40分に市ノ瀬駐車場に到着しましたが、登山客はそこまで多くなくて一安心。バス待ちの列に並び、30分程でバスに乗ることができ、歩き始めたのは6時でした。

登りは観光新道を使います。最初は急な坂をぐんぐん登ることになりますが、朝早くスタートすれば、涼しい時間帯に標高を上げられます。これが観光新道のメリットの1つでもあります。7時間20分頃に別当坂分岐まで登り詰め、9時頃に殿ヶ池避難小屋に到着してしばし休憩。日が当たる場所は暑そうなので日陰で休んだのですが、しばらくすると少し寒さを感じました。標高が高くなると、気温の変化にも注意が必要です。

観光新道の見所はここから! お花畑の始まりです。凄いと聞いてはいましたが、今年のお花は本当にすごかった! 見頃は少し過ぎていたかもしれませんが、十分感動のレベル。いろんな種類のお花が咲き乱れ、「百花繚乱」とはまさにこの場所のためにある言葉だと思いました。お天気がいいことも相まって、青空と緑といろんなお花の色が美し過ぎて、足が前に進みません。

そんな観光新道を通り抜け、黒ボコ岩、弥陀ヶ原を経て、11時頃に室堂に到着。しっかりと昼食を摂り、十分な水を汲みました。水場があるって、本当にありがたい!

ここまでは4人で来ましたが、この先は2人での行動になりました。待機組の2人に13時以降の室堂チェックインと重い荷物を託し、身軽な装備でお花松原に向けて12時にリスタート。計画よりも時間が押していたので北弥陀ヶ原まで行くのは微妙…ということで、この後の天候と日没時刻を確認した上で、折り返しのタイムリミットを15時、室堂帰着を18時に設定し、行けるとこまで行くことにしました。こんなこともあろうかと、お姉さま方が室堂山荘の白山荘(素泊まりの自炊棟)を予約してくれたので、夕食の時刻を気にすることなく計画を立てられました。

※白山室堂の4施設はすべて完全予約制です。

お池めぐりコースを抜け、お花松原方向への下降点に立つと、これから向かう先はガスの中。気分は滅入りますが、行くしかない! ぐんぐん降りて行くと、ハクサンコザクラやチングルマなどが咲くお花畑が見えてきました。ワクワク!

ヒルバオ雪渓を過ぎて少し歩いて行くと「あの匂い」が。クロユリの匂いです。濃密に群生し過ぎているが故、少し手前から香りがしてくるほど。安定のクロユリ畑です。匂いにまみれながら、ひとしきり写真を撮って先を急ぎます。この時点で13時40分。

お花松原から先は、登山道はしっかりあるものの草木に覆われた所もあり、歩きづらい道が多い印象でした。低木が生い茂って鬱蒼としている箇所もあったので、所々で熊よけホーンを鳴らしながら進みました。なので、単独行動はお勧めしません! そんな中でも、コバイケイソウやキヌガサソウの大群落が現れたり、春先に咲くサンカヨウが咲いていたりと、小さな楽しみを見つけながら歩くことができました。

その後約1時間歩き、折り返しのタイムリミットが近づいてくると、ピンクの絨毯のような草原が。池塘の周辺にハクサンコザクラのお花畑です! その少し先には岩がゴロゴロとしているコバイケイソウの平原が広がっていていました。現在地を示す目印などは見当たりませんでしたが、地図アプリで現在地を確認し、北弥陀ヶ原到着としました。ちょうど15時でした。少しガスっていたのが残念でしたが、達成感は半端なし!

後は来た道をひたすら戻るだけ。途中でお腹がすいたので、行動食の羊羹を4個完食し、最後の登り坂を登り切りました。振り返って今来た道を見下ろすと、行きとは違う清々しい光景が。帰路を急ぎますが、西日を浴びた御前峰や剣ヶ峰のキリっとした姿にも感激です。

室堂へ戻る道もまた美しく、思わず何度も足を止めてしまいます。ガスっていた天気も回復し、心躍る極上の景色が待っていてくれました。天気がいいって素晴らしい! 日帰りでは見ることのできない風景だから、この際しっかりと目に焼き付けておきました。

18時前に室堂到着。待機組の2人が出迎えてくれました。まずは生ビール! もう、たまらん旨さです。持ってきたカップラーメンやお肉、漬物やミニトマト、おつまみなどを雑然と広げます。きれいに並べて食べる余力はもうありません。何しろ、この日の行動時間は約12時間、移動距離は約18kmのハードスケジュールでしたから。

夕食を終えると、ちょうど夕陽が沈む時間。天気がいいので、たくさんの宿泊客が美しい夕陽を眺めていました。お日様が見えなくなっても、20時近くまで空はきれいに焼けていました。消灯は20時30分でしたが、私たちはその前に爆睡。

翌朝の御来光は、山頂からではなく、翠ヶ池で迎えることにしました。事前の天気予報では、御来光は無理かなと思っていたのですが、ラッキーなことに晴れています。3時30分に室堂を出発し、暗い中、ヘッドランプを灯しながらお池めぐりコースを歩きます。辺りが白んできた頃、翠ヶ池に到着。5時前の日の出を待つ間、パンとコーヒーで軽く朝食。至福のひと時です。

お日様が出てきました。上方の御前峰から「バンザーイ」の声が微かに聞こえます。でも、ここは静かなお日の出。山頂でみんなと万歳三唱しながら拝む御来光は白山ならではですが、神々しい朝を静かに迎えたい時には、こんな選択肢もアリです。その後は、お池めぐりコースで室堂に戻りました。

室堂に戻って荷造りをしたら、下山開始です。エコーラインは今年通行できないので、展望歩道を通ることにしました。お花はたくさん咲いていましたが、前日でお腹いっぱいになっていたので、ちょっと変わったお花はないかなぁと思いながら歩いていると、イワギキョウの白花バージョン(うっすら紫色)を発見!

アルプス展望台で一休みして下山を始めると、林の中がザワザワ。身構えて目を凝らすと、ホシガラスと思しき鳥がいました。松ぼっくりをお食事中のところ、お邪魔したのかもしれません。南竜ヶ馬場まで下って昼食を食べ、本格的に下山し始めると、お天気が怪しくなってきました。午後からの雨予報が少し早まったようです。最後の1時間程はレインウェアを着ての下山となりましたが、大降りにはならず、14時前に無事下山完了しました。

例年になく素晴らしいお花を楽しみにやって来た、今回の登山。観光新道は少し終盤で、お花松原と北弥陀ヶ原は少し早かったかもしれませんが、双方を一度に楽しむにはいいタイミングだったと思います。何度訪れても、そのたびに感動してしまう白山。今度は季節を変えて、またゆっくりと登ってみたいと思いました(白山室堂山荘の営業期間は5月1日~10月15日まで)。

今回は白山の山頂へは向かいませんでしたが、山頂や御前峰への景色が気になる方は、以下の関連リンクも併せてご覧ください。

関連リンク

登山&トレッキング

ルート、見どころ、道中に見られる高山植物など、白山に登るのが楽しみになる情報をひとまとめ。

日帰り・宿泊でどう違う?

白山登山を日帰りにするか、宿泊するかは、体力や経験値に大きく影響されますが、初心者はもちろん、安全登山を第一に考える方などは、宿泊を伴う登山をおすすめします。日帰りされる方も体調管理や早朝出発などを心がけ、万全の体制で臨めるように配慮しましょう。白山の日帰り登山については、下記に関連記事があるので参考にしてみて下さい。

無理のない“宿泊登山”

最初に触れましたが、白山は広大な山域を持つ魅力たっぷりの山。なので、無理せずじっくりと、白山の大自然を堪能することをおすすめします。また、夏山シーズンのご来光は、白山奥宮の神職とともに御前峰へ登頂し、登山客みんなで万歳三唱をするという、霊峰ならではのご来光体験ができます。白山に登るなら、この「儀式」をぜひ体験してみて下さい。

自分に合ったルートで白山登山を楽しもう

美濃禅定道から別山を目指す

今回紹介したように、初心者でも事前トレーニングや無理のない計画を立てるなどの攻略方法を実践すれば、白山登山は可能になると思います。また、何度も白山に登ったことのある方も、いつもと違ったコースに挑戦してみるのも面白いかもしれません。この夏は、自分に合った思い思いの道で、白き山の頂を目指してみましょう!

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